![]() ![]()
インターネット事業部(現EC事業本部)に配属後、矢作が最初に担当したのは、ネット上でショッピングモールを作り、その中でベルーナの商品を販売するというものだった。当時のベルーナは、新聞の折込チラシやカタログでの展開を主流とし急速に売上げを拡大していた。当然、社内でネット通販の認知は低かった。協力体制も含め、土壌が全く整っていない中でのスタート。矢作は、どうすれば売上げを出せるのかをとことん考えた。商品のラインナップやサイトの見せ方、デザインなどやる事は山ほどあった。その中で矢作はまず「売れる商品」を集めることから始めた。担当する部門の商品全てに目を通し、商品のリストを作成していった。「各部門の協力がなければ絶対にいいものは出来ない。」作成したリストを片手に矢作は走り続けた。全ては、「これは絶対売れる!」と心から思える商品を掲載するために。その結果、徐々に協力してくれる部門が増え、年を重ねる毎に少しずつではあるが売上も向上していった。過去に前例がない分、自分のこだわりがそのまま数字にも反映される厳しい現状。しかし、その逆境をプラスに捉えチャレンジし続けることで、矢作はゼロから何かを創り出す面白さを感じていた。
2005年、ベルーナがネット通販事業に本腰を入れて取り組もうと動き始めた時、矢作もその一員としてメンバーに加わった。その時担当をしたのは、アフィリエイト※という広告手法である。アフィリエイトでの広告展開はベルーナ初の試みであり、矢作に知識や技術を教える先輩はいない。そのため、前回よりも厳しいスタートであることを矢作は十分覚悟していた。案の定、失敗の連続であった。企画書を提出しても上司から突き返される日々。悔しさと共に、自分自身の未熟さを痛感する。それでも矢作を動かしていたのは、「誰もが納得する最高のものを作ってみせる!妥協は絶対にしたくない!」という強い信念だった。そのため、日常業務での疑問点や専門知識などの足りない面は書籍で調べ、日々刻々と変化するネット市場の動向を細かくリサーチすることを徹底した。更に、外部が主催するセミナーに積極的に参加し、自社だけではなく業界や他社の情報収集にも力を入れた。セミナーで出会った方達は自己啓発に対し意識が高く、自分より知識が豊富な方ばかり。矢作は自らコンタクトを取り、社外の人脈を広げ幅広い知識を貪欲に吸収し日々の業務に活かしていった。
現在、矢作はこれまでの努力と成果が認められ、課長としてマーケティング室全体を牽引し、更なるサービスと売上げの向上を目指している。そんな矢作は、仕事はテストのようなものだという。「私にとって仕事は、普段の生活や休日で学んだ情報、勉強した事をアウトプットする場であり、そこで常に求められている結果を出さなければならない場だと考えています。とてもシビアですが、それが本気で取り組むということだと思います。自分で努力して培ったものを、いかに成果につなげていくか。そして、“昨日よりも良いものを”、この言葉を意識し行動していくことがお客様への責任だと思います。」そう語る矢作の優しい笑顔の中には、熱い眼差しがあった。
※成功報酬型広告。企業の広告をブログ・ホームページなどに掲載し、その広告をクリックしたお客さまが商品などを購入するとリンク元サイトがブログ等の主催者に報酬を支払う広告手法。 |
![]() |